海外FXのニューヨーク時間とは
外国為替市場はもともと国際銀行間の通貨決済の場として始まった. 国際銀行間の取引を円滑に実行するため, ブローカーと呼ばれる仲介業者を利用することが行われるようになっていき, このブローカー集団が情報交換を行い取引可能な国際銀行に所属するトレーダー間の仲介を行う業務として, ボイス・ブローキングが組織されるようになっていった.
ボイス・ブローキング・システムとは, 銀行とブローカー間を電話(ホットライン) あるいはテレグラム, FAXで結び, ブローカーに対して注文(気配値)を提示し, 取引可能な他のブローカーを探し出してもらう仲介システムを指す. たとえば, 図1に示すように, あるブローカーに外国為替銀行Aから出されたドル買いの注文が114.海外FXのニューヨーク時間とは 20円/ドル, ドル売りの注文が114.26円/ドルとすれば, このブローカーはホットラインを通じて参加するトレーダーに対して, 相場を114.20-26と唱える. これを聞いて, 別の外国為替銀行Bが同じくホットラインを通じて114.20円/ドルでドルを売る通知をして来れば, 取引が114.20円/ドルで成立する. USD/JPYと記述した場合, アメリカドル(USD)1単位の価格を日本円(JPY)建てで表記する. この場合前にあるUSDを第一通貨, 後ろにあるJPYを第二通貨と呼ぶ. 第一通貨を第二通貨で買う(売る)ということと第二通貨を第一通貨で売る(買う) ということは同じ意味である.
便宜上第一通貨を第二通貨で相手が買ってくれる価格のことを 買気配 または ビッド (海外FXのニューヨーク時間とは bid)第一通貨を第二通貨で相手が売ってくれる価格のことを 売気配 または アスク (ask)と呼ぶ. アスクのことは オファー (offer)とも言う. 現在市場に出ているものの中で最大の買気配値のことを 最良買気配 または ベスト・ビッド (best bid)最小の売気配値のことを 最良売気配 海外FXのニューヨーク時間とは 海外FXのニューヨーク時間とは または ベスト・アスク (best ask)と呼ぶ. ベストビッドとベストアスクの幅を証券市場同様にビッド・アスク・スプレッドと呼ぶ.
例えば, USD/JPYの場合銀行間取引の1取引単位は1,000,000USD(日本円で約1億円)である. 外国為替市場において市場参加者は伝統的に 両建て提示 (two way quotation)と呼ばれる独自の注文方法を採用してきた. 両建て提示とは売りを意図している注文であっても, 買いを意図している注文であっても, 両方の注文価格を同時に提示する注文方法である. この方法を採用しているために, 外国為替市場の注文記録から需給バランスを原理的に推定することができない.
ボイス・ブローキング・システムの多くは, ブローカー集団が円卓を囲み, ブローカー集団間が口頭やジェスチャーを通じて意思疎通を行うことによって成立している (図2のような情報伝達経路をとっている). そして, 現在自分達の顧客が提示している注文のすりあわせを行い, 取引可能なトレーダーを探し出し取引を実現することを行っている.
図1 国為替市場参加者(USD/JPY)の取引の構造. USDを買うことは JPYを売ることと等価であり, USDを売ることはJPYを買うことと等価である.
図2 ボイス・ブローキング・システムの情報伝達構造(a). 中心にボイス・ブローカが相互に情報交換を行える円卓がある(b). 各トレーダーはボイス・ブローカーと電話(ホットライン)やFAX などの情報伝達手段を用いて注文情報のやり取りを行う (トウキョウフォレックス上田ハーローにて著者佐藤が許可を得て撮影).
1990年代に入り, コンピュータと光ファイバ通信網を用いた情報通信技術 (ICT;Information and Communications Technology)の進歩と普及を受け, クライアント--サーバ方式のマッチングエンジンによるブローキング・システム (電子ブローキング・システム)が導入されはじめた. ロイター社が1991年にReuters2000-1というコンピュータ取引システムを発表して以来, 外国為替市場の業務は電話やFAXに代り, コンピュータ端末が重要な役割りを演じるようになっている. その後, 1993年に入り世界銀行12行によって EBS(Electronic Broking System)が組織され, 2大ブローキング・システムの競争が始まり, 電子ブローキング・システムの普及の時代に入った. 特に, 電子ブローキング・システムは公平性, 高速性, 価格性の観点からボイス・ブローキング・システムに対して強い競争力を持っていたため, 加速的に普及し, ボイス・ブローキング・システムより電子ブローキング・ 海外FXのニューヨーク時間とは システムを利用する市場参加者が増加し続けている. 電子ブローキング・システムでは, トレーダーはコンピュータ端末上に希望する取引価格を入力する. この注文価格は通信回線を通じて中央のホスト・コンピュータに送信され, ホスト・コンピュータ上で自動的に取引可能な他のトレーダーからの注文との適合が行われる. ベスト・ビッド, ベスト・オファーが更新された場合にはコンピュータ端末上で気配価格の更新が行われる. もし取引可能なトレーダーからの注文が存在する場合には両方のトレーダーのコンピュータ端末に取引がなされたことが表示される. その後所定期間以内に決済がなされ取引約定が成立する. 図3(海外FXのニューヨーク時間とは a)に電子ブローキング・システムの情報伝達経路を示す. 各トレーダーはトレーダーが操作可能なコンピュータ端末から注文を入力し, 中央のマッチングエンジンへ注文情報を送信する. 自動的に注文のマッチングを行い, 取引可能なトレーダーを探し出すことができる. 図3(b)は代表的な電子ブローキング・システムあるICAP EBSプラットフォームを利用するときに使用されるコンソールである.
図3 (a)電子ブローキング・システムの情報伝達構造. 中心に市場管理サーバーが注文の自動適合を行う. 各トレーダーはコンピュータ・ネットワークで接続されたコンピュータ端末を用いて, 直接注文のやりとりと市場価格の確認を行うことができる. (b)代表的な電子ブローキング・システム(ICAP 海外FXのニューヨーク時間とは EBS)で使用されるコンソール (ICAP EBS社の許可を得て転載).
外国為替市場(インターバンク)での気配価格を参照値として, 銀行窓口や両替所における実際に取引される通貨交換レート (TTS/TTB)が決められている. 外国為替市場では瞬間瞬間で価格が変化し続けているため, ある基準時間における交換レートを参照値とし仲値(TTM)と呼ばれる価格が決められている. 多くの銀行では毎営業日の9:55ごろの為替レートを参考に価格が決定される. また標準的な仲値を提供するサービスとしてWM/ロイター社がある. 毎日ロンドンの午後4時にインターバンクで取引されているレートをもとに決定される. 執筆現在158の通貨のレートが発表されている.
外国為替市場の取引
外国為替市場は地球の自転に連動して, 昼間に対応する時間帯が変化することに起因して取引の中心的な地域が変化する. そのため世界中の日中に対応する時間が変化することによる市場の時間依存性が存在する. 世界の商業活動の活発な地域を分割するとおおよそアジア, ヨーロッパ, アメリカの3つの地域に分割される. 表1は外国為替市場の参加者が多い代表的な市場の活動時間とタイムゾーンを示す.
Region | IH | Local Open | Local Close | Local Time Zone |
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Sydney | SY | 8:00:00 | 17:00:海外FXのニューヨーク時間とは 00 | Australia/Sydney |
Tokyo | TK | 9:00:00 | 17:00:00 | Asia/Tokyo |
Singapore/Hong Kong | HK | 8:00:00 | 17:00:00 | Asia/Hong Kong |
London | LN | 8:00:00 | 17:00:00 | Europe/London |
New York | NY | 8:00:00 | 17:00:00 | America/New York |
Global | GL | 17:00:00 | 17:00:00 | America/New York |
世界標準時であるUTCで時間を取ると, アジア活動時間は0:00-8:00 (UTC+2), ヨー ロッパ活動時間は8:00-16:00 (UTC+2), アメリカ活動時間は 16:00-24:00(UTC+2)に対応する. 国による夏時間(Day Saving Time) 導入の違いに多少は依存するが,世界標準時間(UTC)から見たときに時間の移動が起こる. また,国による祝祭日の違いも外国為替市場の取引の状態に影響を与える. 例えば8月15日や12月24日はキリスト教圏では祝日となっているが, 日本では通常の営業日である.
アジア活動時間帯で外国為替取引の中心的な地域は, 東京, シンガポール, 香港である. また, ヨーロッパ活動時間帯はフランクフルト, ロンドンが市場を形成している. アメリカ活動時間帯では,世界の情報が集まるニューヨークの影響が大きい.
3年に一度, 国際決済銀行 (Bank of International Settlement;BIS) は BIS Triennial Central Bank Survey (BIS) と呼ばれる世界中の中央銀行やトレーダー集団から集計した外国為替の取引状況に関するサーベイを出版している. この情報によると, USD(アメリカドル), EUR(ユーロ), JPY(日本円) は2004年現在世界で取引量の多い3大通貨である.また, GBP(イギリス・ポンド), CAD(カナダ・ドル), AUD(オーストラリア・ドル), SEK(スウェーデン・クローナ), NOK(ノルウェー・クローネ)は取引量の多い通貨である. 表2に3大通貨の各時間帯における取引量を記す. USDはヨーロッパ活動時間帯で半分以上が取引されている. EURもまたヨーロッパ活動時間で70% が取引されている. JPYはアジア活動時間とヨーロッパ活動時間でそれぞれ40% 程度が取引されている. 各国の通貨は ISO 4217 で規定される3文字の通貨コード(表3参照)で通常表記される. 以降の章においてもこの表記法を使用する.
表2 BIS Triennial Central Bank Survey2004に基づき2001年 4月における1日平均の取引量を100万米ドルで表記した.
表3 主要通貨のISO 4217コードと国・通貨名.
コード | 国・通貨 | コード | 国・通貨 |
---|---|---|---|
AMD | アルメニア・ドラム (Armenia Dram) | AUD | オーストラリア・ドル (Australian Dollar) |
ARS | アルゼンチン・ペソ (Argentina Peso) | AZN | アゼルバイジャン・マナト (Azerbaijan Manat) |
BDT | バングラデッシュ・タカ (Bangladeshi Taka) | BRL | ブラジル・レアル (Brazil Real) |
BHD | バーレーン・ディナール (Bahrain Dinar) | BTN | ブータン・ニュルタム (Bhutan Ngultrum) |
CAD | カナダ・ドル (Canadian Dollar) | CHF | スイス・フラン (Swiss 海外FXのニューヨーク時間とは Franc) |
CLP | チリ・ペソ (Chilian Peso) | COP | コロンビア・ペソ (Colombian Peso) |
CNY | 中華人民共和国・元 (海外FXのニューヨーク時間とは Chinise Yuan) | CZK | チェコ・コルナ (Czech Koruna) |
DKK | デンマーク・クローネ (Danish Krone) | DZD | アルジェリア・ディナール (Algerian Dinar) |
EUR | 欧州連合(EU)・ユーロ (Euro) | EGP | エジプト・ポンド (Egyptian Pound) |
FJD | フィジー・ドル (Fiji Dollar) | GBP | イギリス・ポンド (British Pound) |
GHC | ガーナ・ セディ (Ghanaian Cedi) | HKD | 香港・ドル (Hong Kong Dollar) |
HUF | ハンガリー・フォリント (Hungarian Forint) | IDR | インドネシア・ルピア (Indonesian Rupiah) |
INR | インド・ルピー (Indian Rupee) | ISK | アイスランド・クローナ (Iceland Krona) |
IRR | イラン・リアル (Iranian Rial) | JPY | 日本・円 (Japanese Yen) |
JMD | ジャマイカ・ドル (Jamaican Dollar) | KZT | カザフスタン・テンゲ (Kazakhstan Tenge) |
KES | ケニア・シリング (Kenyan 海外FXのニューヨーク時間とは 海外FXのニューヨーク時間とは 海外FXのニューヨーク時間とは Shilling) | KRW | 大韓民国・ウォン (South Korean Won) |
LBP | レバノン・ポンド (Lebanon Pound)海外FXのニューヨーク時間とは | LVL[10] | ラドビア・ラト (Latvian Lat) |
MNT | モンゴル・トゥグルグ (Mongolia Tugrik) | MYR | マレーシア・リンギット (Malaysian Ringgit) |
MXN | メキシコ・ペソ (Mexican Peso) | NOK | ノルウェー・クローネ (Norwegian Krone) |
NZD | ニュージーランド・ドル (New Zealand Dollar) | OMR | オマール・リアル (Omani Rial) |
PEN | ペルー・ソル (Peruvian Nuevo Sol) | PKR | パキスタン・ルピー (Pakistan Rupee) |
PHP | フィリピン・ペソ (Philippine Peso) | PLN | ポーランド・ズウォティ (Poland Zloty) |
RON | ルーマニア・レイ (Romanian 海外FXのニューヨーク時間とは Lei) | RUB | ロシア・ルーブル (Russian Rouble) |
SEK | スウェーデン・クローナ (Swedish Krona) | SKK[11] | スロバキア・コルナ (Slovak Koruna) |
SIT[12] | スロベニア・トラル (Slovenia Tolar) | SGD | シンガポール・ドル (Singapore Dollar) |
THB | タイ・バーツ (Thai Baht) | TRL | トルコ・リラ (Turkish Lira) |
UAH | ウクライナ・フリヴニヤ (Ukrainian Hryvnia) | USD | アメリカ合衆国・ドル (United States Dollar) |
VER | ベネズエラ・ボリバル (Venezuelan Bolivar) | ZAR | 南アフリカ・ランド (South Affrican Rand) |
[11]2009年1月16日SKK廃止. EURに変更.
[12]2007年1月14日SIT廃止. EURに変更.
国際決済銀行の2013年の外国為替市場に関するレポートによると1日平均 (4月1日平均)の外国為替市場の取引量は5兆3,450億米ドル(日本円で約507兆円, 1アメリカドルを95円として換算)である. 表4は1998年から2013年までの4月1日平均取引高の推移を示している. 1998年からの集計によると約3.5倍に増加している. この集計値は取引を行ったディーラー両方について取引をした通貨について2重に計算を行った値である.
表4 1998年から2013年までの外国為替市場で取引された1日あたりの平均取引高. 2013年版BIS Triennial Central Bank Surveyの外国為替市場レポートに基づく. 単位は10億米ドル.
集計年 | 1998 | 2001 | 2004 | 2007 | 2010 | 2013 |
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通貨交換 | 1,527 | 1,239 | 1,934 | 3,324 | 3,971 | 5,345 |
スポット取引 | 568 | 386 | 631 | 1,005 | 1,488 | 2,046 |
アウトライト・フォーワード取引 | 128 | 130 | 209 | 362 | 475 | 680 |
外貨スワップ取引 | 734 | 656 | 954 | 1,714 | 1,759 | 2,228 |
通貨スワップ 取引 | 10 | 7 | 21 | 31 | 43 | 54 |
オプションおよび他の商品 | 87 | 60 | 119 | 212 | 207 | 337 |
外国為替市場で取引されるスポットでの取引量は, 2013年には1日2兆米ドル(約190兆円)を越え, 約90% が電子ブローキングシステム, ボイスブローキングシステムが約10% となっている. 世界的に見ると複数のボイスブローキングシステムと複数の電子ブローキングシステムが, 銀行間または企業間の通貨交換の仲介業務を行っており, 銀行間での直接的取引(直取引)も行われている.
外国為替市場の高頻度データ
外国為替市場の高頻度データは1次的には電子ブローキング・システム上で生成 される. 電子ブローキング・システムは銀行間取引や個人取引を仲介する仕組み であるがそこで交される 気配価格 (quotes)や 約定 (transaction)に関する詳細なデータは 匿名化 (anonymization)され,証券市場同様に販売されている. 電子ブローキング・システムから直接提供されるデータは極めて高解像度でかつ高頻度のデー タである. 外国為替市場は証券市場と異なり単一の取引所が存在しているわけ ではないため,電子ブローキング・システムで収集されるデータが外国為替市場 での取引全てを網羅しているわけではないが, 取引シェアの大半を担っている電子ブ ローキング・システムの分析を行うことにより, 外国為替市場の様子を高解像度 データを用いて分析することが可能である. 本章で紹介するICAP EBSは自社で電子ブローキング・システムを運営しているため, ここから販売され るデータは極めて高解像度かつ高頻度のデータである. 例えばICAP EBS社(ICAP EBS社 http://www.ebs.com)から 販売されるEBSDataMine Level1.0の時間解像度は1秒である.
一方2次データ・プロバイダは複数の電子ブローキング・ システムから通貨注文と取引に関するデータを購入し連結して提供している. 2次データ・プロバイダは一般に外国為替市場データのみを取り扱っているわけではなく, 証券や債券, 国債, 金属, エネルギーなどの様々な金融データを収集販売している. そのため, 2次データ・プロバイダから提供されるデータの解像度や頻度は1次データ・ プロバイダの提供するデータに比べて高くない場合があるが, 一方でカバレッジは大きいという長所がある. 本章で利用するCQG社(CQG社 http://www.cqg.comから販売されるCQG Comprehensive FXの場合, 時間解像度は1分であり注文のデータのみが利用可能である. データは通貨ペア単位で販売されている.
EBSDataMineLevel1.0
EBS Data Mineのヒストリカル・データにはEBS市場で提示された気配値のEBS Best BidとBest Offerおよび取引約定価格の情報が含まれている. 取引約定価格にはその時点で最も高い買い約定値(the highest paid) と最も安い売り約定値(the lowest given)が記録されている. 記録される時間は更新時間を基準としており, 約定レコードと気配レコードが記録されている. 気配レコードには更新時間終了時点のBest BidとBest Offerが含まれている. 約定レコードには更新時間中の最も高い買い約定値と最も安い売り約定値が含まれている. 更に Level2.0 には取引高に関するデータが含まれている.
データは標準的なCSV(comma separated values)形式で, ヘッダーとトレイラーはない. また, データは匿名化されており, 注文値(ビッドとオファー)と約定値の情報が含まれている.
CQG Comprehensive FX
外国為替市場のティック・データとして, CQG社が提供するTime & Salesデータ(以下 T & Sデータと省略)を説明する. T & Sデータは外国通貨間の取引ペアに対して気配値(注文)提示がサーバに届いた時刻, 注文価格, 売り注文価格, 買い注文価格の別が記録されている. 外国為替市場では, あるトレーダーの通貨の価格提示に対して, 他のトレーダーがその価格による通貨取引に応じることにより取引価格の決定と通貨交換がなされる. この価格提示はquote(注文)と呼ばれる. このデータは匿名化がなされているが, 日時, 活動時間帯, 価格, 注文, 通信種別, データ種別が記録されている.
外国為替市場の戦後史
表5に1944年から2013年までに外国為替市場に影響を及ぼした出来事をまとめた. 第二次世界大戦の終わり頃1944年7月, 連合国45カ国がアメリカ合衆国ニューハンプシャー州ブレトン・ ウッズに集まり国際通貨体制に関する会議を開催した. この会議では, 戦争の引き金となる通貨危機や通貨の不安定化を避ける方法が模索され, John Maynard Keynesは新しい世界通貨システムにおいて国際共通通貨バンコール (Bancor)を提案したが否決された. 議論の末, 金との等価交換を保証する共通通貨(兌換通貨)としてアメリカ・ドルが選択され, 金1オンス当たり35アメリカ・ドルと固定し, アメリカ・ドルに対する他の主要通貨の交換比率を固定する 固定相場制 (ペッグ制)が採用されることとなった. これを実施するために, ブレトン・ウッズ協定(IMF協定)が批准され, これに基づき, 国際通貨基金 (IMF)と 国際復興開発銀行 (IBRD)の2つの組織が発足する. この固定相場制に基いた通貨交換体制を ブレトン・ウッズ体制 (Bretton Woods system)と呼ぶ.
日本が1952年にブレトン・ウッズ協定に加盟した結果, 日本における外貨取引が可能となり, 東京外国為替市場 が再開される. ブレトン・ウッズ体制は1960年代に入り世界経済の変化によって圧力を受けつつも持続したが, 1971年8月15日にアメリカ大統領ニクソンによって, アメリカドルと金との等価交換制度が変更されたことを受け( ニクソンショック ), 1971年12月アメリカドルの切下げと為替変動幅を拡大したスミソニアン体制が始まる. スミソニアン体制は1972年にイギリス・ポンドが変動相場制へ移行, 日本・円も1973年2月に変動相場制へ移行したのに続き, ドイツ・マルクは1973年3月に変動相場制へと移行したことを受け事実上崩壊し, 1976年1月キングストン合意により 変動相場制 (フロート制)の承認と金とアメリカ・ドルとの固定的な交換比率の廃止が決まった. アメリカ・ドルは以降兌換通貨でなくなる.
1971年以降, 多くの通貨に対して, 変動相場制のもとで, 通貨の交換すなわち通貨取引が盛んに行われるようになり, 外国為替市場は世界的な市場として発展するようになった. 更に, 1985年のプラザ合意以降, イギリスのビッグバン政策が実施されたことに強い影響を受け, 多くの国々では通貨流通に関する制限は撤廃され, 一部の経済的に弱い国を除いて通貨交換レートが市場原理 (market mechanism)に従い変化するようになっていった.
東南アジアの国々では, 自国の経済発展を安定化させるために, 変動相場性による不安定要因を弱める目的で, バスケット方式による, 固定相場制度を維持し続けた. しかしながら, 外国為替市場の世界的な取引活発化の結果, 1997年に固定相場制を維持することができなくなり, タイ・バーツの暴落に代表されるいわゆるアジア危機が生じた.
また, ヨーロッパでは1979年にECが導入した通貨システムが, ECの拡大発展に伴って成立した欧州連合(EU)に引き継がれ, 1999年には欧州共通通貨ユーロ(Euro)の導入へと発展する.
日本円とアメリカ・ドルとの交換レートはブレトン・ウッズ体制のもとで, 当初, 1ドル360円に固定されていた. 1973年2月の変動相場性への移行後, 日本円とアメリカ・ドルの交換レートは, 1975年12月に1ドル307円の最高値を記録して以来, 日本の輸出産業の強さに起因して円高ドル安の展開が続き, 1995年4月19日, 東京外国為替市場が1ドル79.75円の最高値を記録した. さらに, 2011年10月31日には75.54円となりこれまでの最高値記録が更新された.
外国為替市場の取引時間帯の特徴と活用法【5時限目】
FXの仕組みを理解
これから FXでバリバリ稼いでいきたい! というFX初心者さんにとっても、為替市場については最低限知っておきたい基礎知識でもありますので、この機会に理解を深めていってみてはいかがでしょうか(´ー`)?
外国為替市場の仕組みを理解しよう!
為替市場というのは、簡単にいうと 世界中の銀行のネットワークを介して為替取引が行われる市場 のことです(・∀・)
よくニュースの報道で「本日の東京外国為替市場は1ドル○○円で取引がされていました・・・」といってるのは、取引を行ってる銀行が存在している都市や国のことを東京市場とか、ニューヨーク市場と呼んでいるだけで、 為替市場自体はリアルには存在しないバーチャルな市場 なんですね。
24時間取引ができるというのはFXトレーダーにとっては非常にありがたいことなんですが、為替市場が銀行間の取引ネットワーク上に構成されているというのもあって、相場が大きく動く時間帯というのは、 世界中の銀行が営業している時間帯に集中しがちです。
さて、そんな為替市場の取引の中心地となっている都市やエリアは、大きく分けるとオセアニア、アジア、欧州、ニューヨーク、の4つに分けることができます。
世界の為替市場は大きく分けると4つ
市場を一日の流れで考えると、最も早く動き出すのが日本時間の朝5時から銀行が営業を始める オセアニアのウェリントン市場(ニュージーランド) で、そこからアジア市場→欧州市場→ニューヨーク市場という順に西へと取引の中心地が動いていきます。
そして、一日を通して最も取引量が多くなるのは 22時~深夜2時 にかけての時間帯。
この時間帯は世界で最も取引高が高いロンドン市場とニューヨーク市場が同時に動いているため、市場の取引量が増えやすい時間帯なのですね。
なんとイギリスとアメリカだけで為替市場全体の 56.5% 海外FXのニューヨーク時間とは 海外FXのニューヨーク時間とは もの取引が行われてます。
アジア市場の東京・香港・シンガポールを合わせても20.7%ですので、やはりロンドン市場とニューヨーク市場の取引高は圧倒的なのですね(;・∀・)スゲー
各時間帯の値動きの特徴とよく動く通貨ペア
さて、ちと前置きが長くなってしまいましたが、ここまでの話で為替市場とはどういう市場なのか、ということが大体理解していただけたんじゃないでしょうか♪
アジア・オセアニア時間(8-15時)の特徴
アジア・オセアニア時間は、欧州市場とニューヨーク市場の動きが止まっている分、比較的相場は落ち着いた動きをしやすく、ボラティリティ(変動率)が低くなりがちな時間帯ですね。
特に欧州・ニューヨーク時間に 重要な経済指標 などが控えている時は市場が様子見ムードになりがちで、「全く相場動かないやんけ・・・(;´Д`)」なんてこともしばしばあります。
アジア・オセアニア時間に動きが出やすい通貨ペア
やはり、アジア・オセアニア時間で動きが出やすい通貨ペアとなると、
JPY、 AUD、NZD 絡みの通貨ですかね。
・市場がリスクオフ傾向で円が買われる(リスクオンだと円が売られる)
・中国と密接な関係にあるオーストラリアの豪ドルが中国経済の動向で売買される
・日本やオーストラリアなどのアジア・オセアニア地域の経済指標が発表される
アジア・オセアニア時間でのトレードのポイント
そんなアジア・オセアニア時間でのトレードのポイントですが、この時間帯は前述のとおり、様子見ムードの中でウロウロする レンジ相場となることが多い です。
欧州・アジア時間(16-21時)の特徴
トレーダーの中には「欧州の出方を見てからポジションを入れる」というのをトレードルールに入れてる人もいたりしますし、それだけ欧州勢の取引高へ与える影響は大きいんですね。
欧州・アジア時間に動きが出やすい通貨ペア
欧州・アジア時間で動きが出やすい通貨ペアは、ズバリ
GBP、EUR、CHF 絡みの通貨です。
欧州・アジア時間でのトレードのポイント
例え朝の時点で相場環境を把握したとしても、この時間帯からニューヨーク時間にかけて相場がどのように展開されていくだろうか?ということを前提に改めて相場環境を把握するように心がけておくといいと思います。
ニューヨーク・欧州時間(21-6時)の特徴
ニューヨーク・欧州時間に動きが出やすい通貨ペア
ニューヨーク・欧州時間で動きが出やすい通貨ペアは、ズバリ
USD,CAD, 絡みの通貨ですね。
ニューヨーク・欧州時間でのトレードのポイント
この時間帯はとにかく相場が活発になるため、短期トレードでも大きな値幅を取りやすくなってきます。ですので、 あまりトレードに時間をかけずに効率よくFXで稼ぎたい という方はニューヨーク・欧州時間を主戦場にしても良いかもしれないですね(・∀・)
取引量が最も多いこの時間帯は買いたい・売りたいという市場の需要バランスがどちらかに傾くと一気にトレンドが加速しますので1~4時間といった中期トレンドに乗っかれる局面が出やすいのもポイントです。
また、ニューヨーク市場の終値は日足のローソク足が固まるタイミングでもありますので、日足の流れをより意識する時間帯でもあります!
5時限目のまとめ!
自分は特別トレードする時間帯や通貨ペアを絞り込んだりはせずに、毎回テクニカル的なチャンスが出ているペアを狙っている感じですが、やはり 「アジア時間だから欧州まではレンジ展開が続きそうかな?」 みたいなことはシナリオを考える時に意識しています。
週明けのNY金の強調地合いによって金標準は続伸
(東京石油市場)
30日のドバイ原油は海外原油の強調地合いによって8万円台まで続伸。ドバイ原油の中心限月10月限は前週比1530円高の8万0830円。
週末の夜間立会の時間帯で海外原油は引き続きNY石油製品の上昇に引っ張られ続伸した。WTIの7月限は序盤に為替のドル安・ユーロ高の動きによって114.90ドル台まで上がる動きを見せたが、その後は為替がドル高・ユーロ安の動きなると112.85ドルまで崩れる動きに。しかし安値をつけてからは米国のドライブシーズンによる需要期待とタイトなガソリン在庫水準を背景にNYガソリンが続騰する動きになるとWTIも上昇する展開になり115.30ドルまで直近の高値を更新する動きとなった。この海外原油の動きを受けてドバイ原油の中心限月は序盤に8万円まで上昇した後に7万8600円まで売られる動きを見せたが、その後は8万0370円まで急伸した。日中立会は週明けのWTIが115.80ドル台まで上昇するとドバイ原油は寄付き直後に8万0850円まで上げ幅を拡大する動きとなったが、その後はWTIの上げ一服と為替の円高の動きによってドバイ原油は8万0300円まで水準を下げた。しかしその後はNYダウ先物の堅調地合いやドル安・ユーロ高の動きによってWTIは116.30ドル台まで買い進まれるとドバイ原油は8万0930円台まで高値を更新した。日中の高値をつけてからはWTIの上げが一服するとドバイ原油は上げ幅を縮小する動きになり14時過ぎに8万0390円まで下がる動きとなったが、引けにかけては為替の円安の動きによって8万0830円まで買い直された。日中の海外原油は続伸する動きとなっている。米国は休場となっているがWTIは短縮時間での電子取引が実施されており116.39ドルまで続伸している。まだNY石油製品の強調地合いが続くいておりWTIも直近の高値を更新しているが、目先は3月7日の高値の116.43ドルを超えるか注目したい。6月2日にはOPECプラスの閣僚級会合が予定され、増産計画は据え置きが予想されるが実際は増産目標を3か月連続で下回っており5月の日量の産油量が注目される。目先はOPECプラスの閣僚級会合に注目したいが、5月の日量の産油量が目標を下回るようであれば海外原油の一段の上昇も警戒される。ドバイ原油は8万0900円台まで続伸する動きを見せているが、海外原油の強調地合いから更なる上値水準の切り上げが想定され、海外原油の動きについて行くのが無難と見たい。
(貴金属市場)
30日の金標準はNY金の強調地合いによって続伸、白金標準も堅調地合いを維持。金標準の中心限月4月限は前週比52円高の7584円、白金標準の中心限月4月限は同47円高の3848円。
週末の夜間立会の時間帯でNY金の8月限は乱高下の動きを見せたが清算値ベースでは続伸した。米国取引時間帯に為替のドル安・ユーロ高基調や他の貴金属市場・石油市場の上昇によってNY金は1866.9ドルまで買い進まれる動きを見せたが、その後はNYダウの急伸の動きによって為替がドル高・ユーロ安の動きになると1852ドル台まで急落する展開となった。ただNY金の下振れは一時的な動きとなり直ぐに1864ドルまで買い直されたが、NY株価の強調地合いが再びNY金の圧迫要因となり引けにかけては1850ドル台半ばまで売り直された。このNY金の乱高下を受けて金標準の中心限月は序盤に為替の円高の動きによって7534円まで売られる動きを見せたが、その後はNY金の上昇によって7571円まで急伸した。しかしNY金が高値から崩れる動きを見せると金標準は再び7534円まで売り直されたが、その後はNY金の戻り基調によって金標準も7550円台まで買い直された。ただ引けにかけてはNY金が上げ幅を縮小する動きになり金標準もじり安の展開から夜間の引け値ベースでは7540円まで水準を下げた。日中立会は朝方にNY金が1850ドル割れまで売られるなど軟調地合いとなり10時過に為替が円高方向に進むと金標準は7527円まで売られる展開となった。しかし金標準の下振れは一時的な動きとなり、その後はドル安・ユーロ高の動きによってNY金が1867ドル台まで急伸すると金標準も7584円まで日中の高値を更新した。日中のNY金は米国は休場となっているがNY金は短縮時間での電子取引が実施されており1867.8ドルまで続伸している。週明けのドル安・ユーロ高の動きが支援材料となっているが、今週は米国の主要な経済指標の発表が予定されNY金はドル・ユーロの動き次第と見たい。週明けに再び1867ドル台の高値水準まで買われる動きを見せているが、今後もドル・ユーロの動きに注意したい。金標準は日中に7580円台まで上昇する動きとなったが、ドル・ユーロの動きを中心に金標準も臨機応変に対処して行きたい。
白金は夜間でNY金と同様にNY白金はドル・ユーロとNY株価の動きに翻弄され乱高下の展開となった。NY白金の7月限は序盤にドル安・ユーロ高の動きによって946ドル台まで上昇したが、その後はNYダウの急伸によってドル高・ユーロ安の展開から934.2ドルまで急落した。しかしNY白金の940ドル割れは一時的な動きとなりNYパラジウムの強調地合いやドル・ユーロが再びドル安・ユーロ高方向に戻りを見せるとNY白金は946.7ドルまで高値を更新する動きを見せた。高値をつけてからも再び940ドル割れを見せた後に945ドル台まで買い直されるなど乱高下の展開は続いたが、引けにかけては940ドル台を維持した動きとなった。白金標準の中心限月は序盤に3825円まで上昇する動きを見せたが為替の円高基調によって3792円まで売られる動きとなった。しかし米国取引時間帯でNY白金が乱高下の動きになると白金標準も値動きの荒い動きを見せ3800円台から3820円台の間を行き来する展開となり夜間の引け値ベースでは3812円で取引は終了した。日中は週明けのNY白金が9時過ぎに943ドル台まで上昇すると白金標準は3824円まで上がる動きを見せたが、10時過ぎにNY白金が940ドル台まで下がり為替が円高方向に進むと白金標準は3809円まで売られる動きとなった。しかし白金標準の下押しは一時的となりドル安・ユーロ高の動きからNY白金が950ドル台まで上昇すると白金標準は3848円まで上げ幅を拡大した。日中のNY白金は米国は休場となっているがNY白金は短縮時間での電子取引が実施されており950.8ドルまで続伸している。週明けはドル安・ユーロ高が支援材料となり950ドル台まで買い進まれているが、NY白金の7月限の今後の整理商いや弱気なファンダメンタルズを踏まえると戻り売り有利の展開は変わらずと見たい。白金標準も日中に3840円台まで上昇する動きを見せているが、NY白金の戻り売り予想から白金標準も高いとこからは売られる動きが続くと見たい。
(ゴム市場)
30日のゴムRSS3号の中心限月は外部要因に動きによって小幅続伸。ゴムの10月限は前週比0.6円高の246.9円。
週末の夜間立会の時間帯でゴムRSS3号の10月限は序盤に246.5円まで上昇する動きを見せたが、その後は244.5円まで反落した。日中立会は週末のNYダウの上昇に反応してゴムは寄付きから反発し他の商品市場の強調地合いもあって11時過ぎに247.9円まで上昇した。しかし日中の高値をつけてからは他の商品市場が上げ一服の動きになるとゴムは上げ幅を縮小する動きとなり12時過ぎに246.0円まで反落したが、引けに引けにかけては246.9円まで上がった。週明けもゴムは再び240円台後半まで上昇した後に売られる展開となっている。外部要因によって上昇する動きを見せたが、ゴムの弱気なファンダメンタルズに変わりはなく引き続き戻り売り有利の動きが想定され、240円台での動きが続くと見たい。
(トウモロコシ市場)
30日のトウモロコシの中心限月はシカゴコーンの休場の中で急反発。トウモロコシの中心限月5月限は前週比820円高の5万4360円。
週末の夜間立会の時間帯でシカゴコーンは売られ過ぎ警戒や連休前のポジション調整の動きによって反発し7月限は7.80ドル台まで上昇した。このシカゴコーンの動きを受けてトウモロコシの中心限月は為替の円高基調によって5万4000円まで売られた後に5万4500円まで上昇する動きとなった。日中立会は週明けのシカゴコーンが休場中にトウモロコシは10時過ぎに為替の円高基調によって5万4350円まで下がる動きを見せた。その後は円高の動きが一服するとトウモロコシは下げ止まりの動きから5万4400円まで買い直される動きとなったが戻りは限定的となり、15時過ぎに5万4330円まで下がった。シカゴコーンは本日は休場となっているが、31日には米コーンベルトの作付け進捗や作柄の発表が予定され、作柄に関しては良好な作付けが予想され休場明けから売られる動きも警戒される。トウモロコシは本日は反発する動きを見せているが、休場明けのシカゴコーンの軟調地合い予想からトウモロコシは再び売り有利の展開が想定される。
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