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本質的価値の計算方法

本質的価値の計算方法
株価算定をご検討の際はぜひ、ご活用ください。

本質的価値の計算方法

本質的価値の計算ステップ1というタイトルの画像

  • 企業は事業の所有権を売却することにより普通株式を発行します。 あなたが株を買うとき、あなたはビジネスの所有者(投資家)です。 あなたの株式は、会社の所有権のわずかな割合を表しています。 [1] バツ 研究ソース
  • 債券は会社の債務を表します。 債券を購入する投資家は、事業債権者と見なされます。 債券の所有者は、通常、年に2回、債券投資の利息収入を受け取ります。 元の投資額は、満期日に債券投資家に返還されます。 [2] バツ 研究ソース

本質的価値の計算ステップ2というタイトルの画像

  • この議論では、収益と利益を同じものと考えることができます。
  • 企業は、在庫の購入、給与の支払い、宣伝に現金を使用する必要があります。 この種の支出は、現金の流出と見なされます。
  • 顧客が製品やサービスの代金を支払うとき、ビジネスにはキャッシュフローがあります。 時間の経過とともに流出よりも多くの現金流入を生み出す能力は、価値のある企業であることを示しています。 [4] バツ 研究ソース

本質的価値の計算ステップ3というタイトルの画像

  • 株式投資家は、時間の経過とともに株式の価値が上昇するのを見たり、配当の形で収益の一部を受け取ることに関心があります。
  • 本質的価値の公式は、投資家の必要な収益率についての仮定を立てます
  • このリターンは、投資家の最低限の期待と考えることができます。 投資が期待に応えられない場合、投資家は投資しないと想定されます。 [5] バツ 研究ソース

本質的価値の計算ステップ4というタイトルの画像

定義を理解します。 配当割引モデル(DDM)は、株主に支払われる配当のドル価値を考慮します。 このモデルは、配当の予測成長率も考慮に入れています。 配当は、割引率を使用して現在価値に割り引かれます。 配当割引モデルが現在の市場価格よりも高い価格で株式を評価する場合、その株式の価格は過小評価されていると見なされます。 DDMの計算式は、(1株当たり配当金)/(割引率–配当成長率)です。 本質的価値の計算方法 [6] バツ 研究ソース

本質的価値の計算ステップ5というタイトルの画像

  • たとえば、あなたの会社の年間収益が$ 1,000,000であるとします。 あなたは配当の形で株主に$ 500,000を支払うことにしました。
  • 会社の発行済み普通株式が500,000株の場合、1株あたり1ドルの配当を支払うことになります。
  • 会社が翌年に$ 2,000,000を稼ぐと仮定します。 会社は配当としてより多くの金額を支払うことを決定するかもしれません-例えば$ 1,000,000。 普通株式の数がまだ500,000である場合、株式の各株式は2ドルの配当を受け取ります。

本質的価値の計算ステップ6というタイトルの画像

    本質的価値の計算方法
  • この式の場合、割引率は投資家が必要とする収益率であることを忘れないでください。 配当金の安定性を考慮に入れる必要があります。 たとえば、配当金の支払いが不安定な場合は、割引率を高くする必要があります。
  • 5年間で100ドルの支払いを受け取ることを期待していると仮定します。 また、毎年の割引率が3%になると仮定します。 [9] バツ 研究ソース
  • 現在価値テーブルを使用して、3%の割引率で5年間に受け取った100ドルの現在価値係数を決定できます。 係数は.86261です(他のテーブルまたは計算機は、丸めのためにわずかに異なる場合があります)。 [10] バツ 研究ソース
  • 支払いの現在価値は($ 100に.86261を掛けたもの= $ 86.26)です。

本質的価値の計算ステップ7というタイトルの画像

  • 割引率は、投資家が要求する収益率です。 12%の割引率を想定します。
  • 毎年4%の配当成長率を想定します。
  • DDMの計算式は($ 4 /(12%-4%)= $ 50)です。 株価の現在の市場価格が1株あたり50ドル未満の場合、式は株価が過小評価されていることを示しています。 言い換えれば、株式の本源的価値は、株式の現在の価格よりも高くなっています。

本質的価値の計算ステップ8というタイトルの画像

  • ゴードン成長モデルは、配当が特定の割合で永久に成長することを前提としています。 [11] バツ 研究ソース
  • 計算式は、(本日から1年後の1株当たりの予想配当)/(投資家が要求する収益率-永続的な配当の成長率)です。

本質的価値の計算ステップ9というタイトルの画像

企業が株主への配当として収益を支払うことができること、または将来のビジネス使用のために収益を保持できることを理解します。 会社が保持する利益は、利益剰余金と呼ばれます。 会社の利益剰余金の残高は、すべての利益の合計から、事業開始以降に支払われたすべての配当金を差し引いたものです。 [12] バツ 研究ソース

本質的価値の計算ステップ10というタイトルの画像

式の変数についていくつかの仮定を行います。 1年後の会社の1株当たりの予想配当金が5ドルであると仮定します。 エクイティ(株式)投資家に必要な10%の期待収益率を決定します。 永続的な年間配当成長率が2%であると仮定します。

本質的価値の計算ステップ11というタイトルの画像

式を使用して、本源的価値を計算します。 ゴードン成長モデルは($ 5 /(10%-2%)= $ 62.50)になります。 本質的価値の計算方法 62.50ドルは、このモデルを使用した株式の本源的価値です。 株式の現在の市場価格が62.50ドル未満の場合、モデルは株式が過小評価されていることを示します。

本質的価値の計算ステップ12というタイトルの画像

普通株1株当たりの簿価を見てください。 簿価は、会社の資産–負債として定義されます。 また、企業の資本として定義することもできます。 会社がすべての資産を売却し、利用可能な現金を使用して残りのすべての負債を返済した場合、残った現金はすべて資本(簿価)と見なされます。 [13] バツ 研究ソース

企業の「株主価値」の計算法 項目を省いて簡単な形に

株式投資で3億円を超える資産を築き、アーリーリタイアしたブロガーのろくすけさん(ハンドルネーム)。会社員投資家の夢を実現した実在のスゴ腕投資家が、会話形式のフィクションストーリーを通して、株式投資の取り組み方やノウハウをやさしく解説していきます。
ろくすけ 実在する本連載の著者。人気ブログ「ろくすけの長期投資の旅」を運営(容姿は本人と変えています)。
ゴロー 大学院を修了後、化学メーカーに就職して1年目の青年。旅先で出会ったろくすけさんに師事するという設定。
ナナコ ゴローの妹。大学で経営学を専攻している。兄と一緒にろくすけさんに株式投資の基本を学ぶという役どころ。

ろくすけ まずは株主価値の計算方法をおさらいしよう。どういう手順で計算すればよかったかな?

ゴロー まず企業の営業キャッシュフローと投資キャッシュフローを足し合わせたフリーキャッシュフロー(FCF)を基に、企業の事業価値を計算します。

ろくすけ 永久に増え続けると仮定して求めるFCFの総和を何と呼ぶんだったかな?

ゴロー 継続価値 、英語名は 本質的価値の計算方法 ターミナルバリュー(TV) です!

ろくすけ 正解だ。では、TVを算出する計算式は?

ナナコ 5年目のFCFの予測値に永久成長率を掛けて、6年目のFCFの予測値を求めます。それを期待収益率(割引率)から永久成長率を差し引いた利率で割るとTVが算出されます。計算式を書くと、5年目のFCFの予測値×(1+永久成長率)÷(期待収益率・割引率-永久成長率)です。

TVだけ求めて手間を省く

ゴロー ややっこしいのは、この式で算出されるのはTV、すなわち、6年目以降のFCFの総和の5年後時点の価値なんですよね。

ナナコ なので、事業価値の現在価値を求めるには、さらに次の手順が必要です。1~5年目のFCFと5年後時点のTVを割引率(期待収益率)で割り戻します。

ゴロー 5年目のFCFと5年後時点のTVは(1+割引率)の5乗で割り、4年目のFCFは(1+割引率)の4乗で割る……。やっぱり複雑だなぁ。

ナナコ 1~5年目のFCFとTVの現在価値の合計が事業価値の現在価値。これに遊休地や運用目的の有価証券など事業活動には結び付いていない非事業用資産を加えて有利子負債を引くと、企業の株主価値が求められます。

ゴロー 株価に発行済み株式数を掛けて求めた時価総額が株主価値の半分以下だったら、株価は理想的な価格と判定できます。

ナナコ やはりかなり手間のかかる計算ですね。

ろくすけ 本質的価値の計算方法 そこで提案するのが、私なりにアレンジした株主価値の計算方法だ。まず事業価値の算出手順を改めて見てほしい。事業価値の大半はTVだろう。そこで1~5年目のFCFの現在価値は求めず、TVの現在価値だけを求めることにする。さらにTVの現在価値を株主価値と見なして、非事業用資産を足したり、有利子負債を引いたりする作業を省略する。

  • ・ 株が割安かの目安「株主価値」の計算法を知ろう
  • ・ バフェット流バリュー投資の要 企業の価値を理解する
  • ・ PERはただの倍率ではない 真の意味を理解しよう

FCFを純利益で代替する

ナナコ だいぶ計算の手間が省けますね。でも、非事業用資産や有利子負債を考慮しなくても構わないんですか?

ろくすけ 我々が投資対象とする「素晴らしい企業」は、事業活動に結び付かない資産を多く抱えてはいない。負債があっても5年以内に返済できるだろうから、TVから控除しなくてもいい。それに、株主価値はあくまで株価が割安かどうかを判定する目安だ。TVの現在価値と時価総額を比べるだけでも、割安か否かは判定できる。

PERと逆数の関係

ゴロー 本質的価値の計算方法 将来の利益の予想値を基に株主価値を算出するので、足元の損益のぶれを考慮しなくていい点もメリットですね。

ろくすけ 6年目のFCFを当期純利益に置き換えた形で5年後時点のTVを算出する計算式を整理すると、次の図の上に掲げた割り算の形になる。5年後時点のTVは割引率で割り戻し、足元の時価総額と比べる。この関係から5年後時点のTVは、企業価値に照らして5年後にあるべき時価総額の理論値だと言える。

株式価値の計算方法3つ!DCF法・株価倍率法・修正純資産法の手順

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株価算定をご検討の際はぜひ、ご活用ください。

1.株式価値をする計算方法3つ

方法 特徴
①DCF(Discounted Cash Flow)法 将来のフリーキャッシュフロー(FCF)や残存価値の現在価値から計算する方法。企業の本源的な価値(今後どの程度利益を生み出す力があるのか)を評価できる方法とされ、多くの場面で利用されている
②株価倍率法 類似上場企業の株価倍率(マルチプル)を、評価の対象となる企業の財務数値に掛けて計算する方法。未上場企業にも適用できるが、類似上場企業が見つかりづらいときもしばしばある
③修正純資産法 貸借対照表の主要勘定科目を簿価から時価に修正し、再度計算した純資産価額から求める方法。将来の利益獲得力が含まれていないため、M&Aなどのときは営業権を加えた数字を取引価格のベースとすることが多い

  • 評価対象となる企業の財務情報を入手する
  • 損益計算書や貸借対照表の予測版を作成する
  • 将来のフリーキャッシュフローを計算する
  • WACCを計算する
  • 残存価値を計算する
  • 事業価値(EV)を計算する
  • 株式価値を計算する

・評価対象となる企業の財務情報を入手する

DCF法では、まず計算の元となる将来のフリーキャッシュフローを、求めなければいけません。そのためには財務数値を予測する必要があり、事前に財務情報を入手しておくのが不可欠となります。財務情報が掲載されている資料としては、有価証券報告書、決算短信、統合報告書、株主通信、プレスリリースなどがあります。

・損益計算書や貸借対照表の予測版を作成する

集めた資料を元に、今後の財務数値を予測し、将来の損益計算書や貸借対照表を作成します。予測期間は5~10年が一般的です。

・フリーキャッシュフローを計算する

フリーキャッシュフローの計算式
FCF=NOPAT+減価償却費-設備投資額±運転資本増減額

・WACCを計算する

次に現在価値に割り戻すために必要な割引率として、WACC(Weighted Average Cost of Capital:加重平均資本コスト)を求めます。

(※)現在価値と割引率
財務の世界では、お金は手に入る時期によって価値(魅力)が異なると考えられています。例えば今すぐ手に入る10万円と5年後に手に入る10万円だと、前者に比べて後者のほうが価値(魅力)を感じにくいでしょう。このとき、「では、現時点から見た5年後の10万円には、どのくらいの価値(魅力)があるのか」と計算することを、現在価値に割り戻すと表現します。また、その際に利用される数値が割引率です。

WACCは、株主資本コスト(キャピタルゲインやインカムゲイン)と、有利子負債コスト(利息など)の加重平均値です。そのため、次のような流れで計算を行うといいでしょう。

計算手順計算式
1.株主資本コストを計算する 株主資本コスト=安全資産の利子率+β×マーケットリスクプレミアム
2.有利子負債コストを計算する 有利子負債コスト=支払利息/有利子負債の期中平均
3.1と2を加重平均を計算する

・残存価値を計算する

しかし何十年も先の予測を、妥当性を確保しながら行うのは現実的に不可能です。そこで予測期間以降のフリーキャッシュフローをすべて足し合わせた残存価値(ターミナルバリュー、TV)を、代わりに求めることとなります。計算式は、以下のとおりです。

ターミナルバリュー(TV)の計算式

・事業価値(EV)を計算する

各期のフリーキャッシュフローと残存価値を、WACCを使って現在価値に割り戻します。その総和が、評価対象の企業の事業価値(EV)です。

事業価値(EV)の計算式

・株式価値を計算する

最後に、次の計算式を用いることで、株式価値を計算できます。

本質的価値の計算方法
株式価値の計算式
株式価値=事業価値(EV)+非事業価値-債権者価値(有利子負債)

②株価倍率法

  • 類似上場企業を選定する
  • 株価倍率を計算する
  • 株式価値を計算する

・類似上場企業を選定する

株価倍率法では、類似上場企業の適切な選定が鍵を握ります。その上場企業が、評価対象となる企業の特徴に似ていれば似ているほど、計算される株式価値の客観性、妥当性も高くなるためです。以下に、一般的な判断基準をまとめたので、ご参考ください。

判断のポイント
業界、業種は似ているか
ビジネスモデルは似ているか
顧客のステータスは似ているか
規模に著しい差がないか
主戦場としている地域に共通点はあるか
収益を獲得する力や成長性の度合いは同じ程度か

なお、上場企業は5~10社程度選ぶのが理想的です。

・株価倍率を計算する

本質的価値の計算方法
株価倍率 計算方法 適用できるとされる企業
PER(Price Earnings Ratioa:株価収益率) 株式時価総額/当期純利益 ・利益のある企業
・ベンチャー企業(ただし利益>0)
・スタートアップ企業(ただし利益>0)
PBR(Price Book-value Ratio:株価純資産倍率) 株式時価総額/純資産額 ・利益のない企業
・特別損失額が大きい企業
PSR 株式時価総額/売上高 ・ベンチャー企業
・スタートアップ企業
PCFR(Price Cash Flow Ratio:株価キャッシュフロー倍率) 株式時価総額/キャッシュフロー ・利益のある企業
・減価償却を考慮したほうがいいと判断した企業
PEGレシオ PER/1株あたりの利益成長率 ・ベンチャー企業
・スタートアップ企業

・株式価値を計算する

算出した株価倍率を特定の財務数値に掛けて、評価対象となる企業の株式価値を求めます。特定の財務数値とは、株価倍率を求める際に分母となったものに対応しています。

上場企業から計算した株価倍率 評価対象企業の株式価値計算方法
PER 株式価値=PER×当期純利益
PBR 株式価値=PBR×純資産額
PSR 株式価値=PSR×売上高
PCFR 株式価値=PCFR×キャッシュフロー
PEGレシオ 株式価値=PEGレシオ×1株あたりの成長率×当期純利益

③修正純資産法

  • 勘定科目を時価に修正する
  • 純資産額を計算する
  • 株式価値を計算する

・勘定科目を時価に修正する

時価は再調達原価を原則とし、非事業用資産や負債には正味売却価額を用いるのが一般的です。正味売却価額に置き換えるときは、法人税等を考慮する必要があります。

・純資産額を計算する

時価に修正することで、含み損益を算出することができます。それを加味しながら(正味売却価額の場合は税効果も)、純資産額を求めましょう。なお、計算した純資産額は修正純資産価額、もしくは時価純資産価額と言います。

・株式価値を計算する

修正純資産価額(or 修正純資産価額)から、新株予約権や非支配株主持分、その他の包括利益累計額などを引いて株式価値を計算します。ただ純資産額と株式価値は、同等のものと見られるケースもゼロではありません。

2.株式価値と混同されやすい「株式の価値」とは?


株式価値と似たような言葉に、「株式の価値」があります。実務で混乱を招かないようにするためにも、ここで詳しくご紹介します。

①株式価値と「株式の価値」は同じ?違う?

一般的に「株式の価値」と言った場合、1株あたりの株式がどの程度の価値を持っているのか(=株価)を示します。従って、株式価値との関係性は、次のような計算式で表すことができます。

「株式価値」と「株式の価値」の関係式
株式価値=株式の価値×発行済株式数

②「株式の価値」の計算方法

「株式の価値」は、前章の方法で計算した株式価値を、発行済株式数で割れば求めることが可能です。そのほかに、計算式を使って直接求められる方法が3つあります。

※株主がn期間後に株式を売却した場合のモデル

DDM法の計算式

・国税庁方式

国税庁が財務基本通達の中で定めている計算方法です。事業承継対策によく用いられる方法ですが、場合によってそれ以外のケースでも用いることもできます。具体的な計算方法については、別の記事で詳述していますのでご参照ください。

・KnowHowsの計算ツール

KnowHowsには、株価を自動的に計算する 株価算定ツール があります。DCF法を始めとする3種類の方法で、多角的に「株式の価値」を求めることが可能です。利用は無料ですので、検討してみてください。

  • 株式価値を計算する主な方法に、DCF法、株価倍率法、修正純資産法がある。
  • 株式価値と「株式の価値」は、混同されやすいが厳密には異なる。
  • 「株式の価値」を直接求める方法として、DDM法、国税庁方式、KnowHowsのツールがある。

また、KnowHowsでは、本文でもご紹介したように、DCF法のほか複数の計算方式で株価(株式の価値)を算定できる 株価算定ツール をご用意しています。

企業価値評価の基礎知識(2)
DCF法とマルチプル法

第4回は、まずディスカウントキャッシュフロー(DCF)法による企業価値評価の基本を押さえたうえで、理論株価の算出や、企業価値評価に「正解がある」と考えてしまう誤解などについて解説する。次に、DCF法によって算出した企業価値の水準をチェックする際によく用いられるマルチプル法の基本に触れ、日本企業の公表数値を用いたケーススタディをもとに、DCF法とマルチプル法を実際にどのように活用していけばよいのかについて解説する。

企業価値の算出

企業価値とは、企業が生み出すフリーキャッシュフローの現時点での価値(現在価値と呼ばれる)の総和である。企業価値を具体的に算出する際は、(1)将来のフリーキャッシュフローの予測、(2)継続価値(CV: Continuing Value)の算出、(3)加重平均資本コスト(WACC)の算出、(4)企業価値の算出の順に行う(図表4-1「企業価値のディスカウントキャッシュフロー(DCF)法による算出」を参照)。

図表4-1 企業価値のディスカウントキャッシュフロー(DCF)法による算出

そして、11年目以降のフリーキャッシュフローは、フリーキャッシュフロー自体を予測するのではなく、企業の継続価値として、11年目のフリーキャッシュフローの予測値とフリーキャッシュフローのその後の一定の成長率を仮定して、永久還元法によって求める(図表4-2「継続価値の算出」、図表4-3「永久還元法の公式」を参照)。

図表4-2 継続価値の算出


図表4-3 永久還元法の公式

これらの予想フリーキャッシュフローおよび継続価値をWACCによって現時点の価値に割り引くことによって、企業価値(EV: Enterprise Value)を算出する(図表4-4「企業価値の算出」を参照)。

図表4-4 企業価値の算出

株主価値および理論株価の算出

こうして算出される企業価値から、負債の提供者の取り分である純有利子負債の価値(有利子負債の簿価-現金・現金同等物の金額)を控除し、株主のうち少数株主持ち分(非支配株主持ち分)を控除したものが、株主価値(EQV: Equity Value)となる。そして、この株主価値を発行済株式総数で除することによって、理論株価が算出される(図表4-5「株主価値および理論株価の算出」を参照)。

図表4-5 本質的価値の計算方法 株主価値および理論株価の算出

企業価値評価に「正解」があるという誤解

1. 将来のフリーキャッシュフローの予測
2. 継続価値の算出
3. 負債コストや株主資本コストの算出、そしてWACCの算出
4. フリーキャッシュフローと継続価値のWACCによる現在価値への割引

マルチプル法の考え方

マルチプル法における指標としては、売上高、営業利益、利払前税引前償却前利益(EBITDA)などが用いられる(図表4-6「マルチプル法における指標の種類」を参照)。このうち、キャッシュフローの近似値とされるEBITDAが、マルチプル法における指標として用いられることが多い。

図表4-6 マルチプル法における指標の種類

マルチプル倍数の算出

企業は、そもそも株主資本や負債として資金調達を行い、その資金を資本として投下することによって資産を構築し、それらの資産によって構成される事業を運営しているのであった。そのため、健全な事業に資本を投下している限り、それらの資産が生み出すキャッシュフローの現在価値の合計、つまりそれらの資産の本質的な価値である公正価値(「フェアバリュー」とも呼ばれる)は、投下資本の元手である資金調達の金額の現在価値と同等かそれ以上になると考えられる(図表4-7「マルチプル法における企業価値の考え方」を参照)。これは、事業への投資について、正味現在価値NPV(Net Present Value)が正であるはずということである。

図表4-7 マルチプル法における企業価値の考え方

つまり、企業価値は、少なくとも、株式時価総額と純有利子負債金額の合計となる(図表4-8「企業価値の構成」を参照)。

図表4-8 企業価値の構成

こうして、マルチプル法における一定の指標を定め、企業価値を純有利子負債と株式時価総額の合計として算出すれば、マルチプル倍数を算出することができる(図表4-9「マルチプル倍数の算出(EBITDAマルチプル倍数の例)」を参照)。

図表4-9 マルチプル倍数の算出(EBITDAマルチプル倍数の例)

マルチプル法による企業価値評価

こうして算出されるマルチプル倍数によって、企業価値を評価できる。すなわち、企業価値を評価したい対象企業について、その業容等が似ている複数の類似比較企業のマルチプル倍数を算出して、それらの平均値あるいは中央値を得たうえで、それを対象企業の指標の値に乗じることによって、対象企業の企業価値を算出する(図表4-10「マルチプル法による企業価値の算出」を参照)。その際、過去ではなく将来を評価するという意味で、マルチプル法のためのEBITDAなどの指標の値は、対象企業の過去の実績値ではなく、来期などの将来の予想値を用いることが必要である。

図表4-10 本質的価値の計算方法 マルチプル法による企業価値の算出

マルチプル法では、企業価値を株式時価総額によって算出しているため、株主価値が株式市場における1株の価値の単純な倍数として評価されてしまっており、これらのコントロールプレミアムを加味したものにはなっていない(図表4-11「株式のコントロールプレミアム」を参照)。

図表4-11 株式のコントロールプレミアム

DCF法で算出された企業価値のチェック

ディスカウントキャッシュフロー法による企業価値からのマルチプル倍数をこれらのマルチプル倍数と比較することによって、その水準があまりに高すぎないか、あるいは低すぎないかをチェックして、その水準の妥当性を議論していくことができるのである(図表4-12「ディスカウントキャッシュフロー法による企業価値の水準のチェック」を参照)。

図表4-12 ディスカウントキャッシュフロー法による企業価値の水準のチェック

なお、2019年3月末日時点での東京証券取引所第一部への上場企業のEBITDAマルチプル倍数の東証33業種分類別(ただし、金融関連の4業種と不動産業種を除く1,969社)での平均値は図表4-13「業種別のEBITDAマルチプル倍数(2019年度)」のようになっている。

図表4-13 業種別のEBITDAマルチプル倍数(2019年度)

なお、こうして得られるマルチプル倍数は、永久還元法の公式において、分母であるr-gが何%であるかということと同義である(図表4-14「マルチプル倍数の解釈」を参照)。ここで、永久還元法の公式におけるrは割引率、gは一定の成長率であった。

図表4-14 マルチプル倍数の解釈

Case Study
アサヒグループホールディングス

簡易的な企業価値評価を、2019年12月期の終了直後の時点を想定して、ディスカウントキャッシュフロー法によって行ってみると、図表4-15「アサヒグループホールディングスの簡易的な企業価値評価【例示】」の通りとなる。

【基礎から分かる】バリュエーション(企業価値評価)とは?種類と算定手法/方法

企業価値を測る意義

企業価値を測ること(バリュエーション)は M&A や投資の際に非常に重要なプロセスです。 M&A の際に価格交渉をする目安や、投資を実施するかどうかの判断基準で使われます。売り手側にとっては、オファー価格の検討および投資価値判断、買い手側にとっては株式譲渡タイミングの検討および譲渡先の選定など M&A では企業価値評価によって出された企業価値が大きく買収価格に反映されるため、その企業の本質的な価値を正確かつロジカルに評価することが肝要です。しかし、企業価値は株価のように変動しやすく、将来性を加味すると企業価値は断定的ではなくなってしまいます。また、企業価値評価の方法によっても結果が変わるため、評価対象に対して適切な評価方法を選択することがキーとなります。

事業承継ニーズが増える一方で、自社内での M&A (売り手・買い手ともに)戦略を展開するには、専門家の参画が必須ですが、自社内でも主体的に取り組まなければ、真の成功は望めません。専門家・アドバイザーからもたらされるインプット・アウトプットを有効活用する上で、ポイントを把握、理解するために、基礎的な事項を押さえておきましょう。

バリュエーション(企業価値評価)方法

  • コストアプローチ
  • インカムアプローチ
  • マーケットアプローチ

【コストアプローチ】

デメリット

企業の将来性を加味した評価では無いことがデメリットとなります。企業の将来性(事業計画値、成長戦略)も含めたバリュエーションが必要な M&A の場合には不十分となります。

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